2010年3月8日

「美容皮膚再生療法セミナー(東京)」

昨日は、東京で行われた「美容皮膚再生療法セミナー」に行ってきました。
様々な最新の皮膚再生療法について第一線でご活躍されている先生方の発表を聴いて勉強してきました。
皮膚の再生(若返り)には、様々な 成長因子(グロースファクター Growth Factor(GF)) が重要な役割を果たしています。
成長因子(GF) とは、細胞の表面の受容体と結合し、細胞の増殖または分化を促すタンパク質です。
<体内における 成長因子 の役割>
・細胞間の化学伝達物質としての役割
・あらゆる細胞活動のスイッチ的役割(オン・オフ両方の働き)
・細胞の成長率を上げる役割
・細胞分裂、細胞と血管の新生、コラーゲンとエラスチンの生成と配給に関与

成長因子(GF) には数多くの種類が存在しますが、その中でも皮膚の再生に最も重要な働きを果たしているのは、主に上皮成長因子(Epidermal Growth Factor (EGF))と線維芽細胞成長因子(Fibroblast Growth Factor (FGF))です。
現在、難治性皮膚潰瘍の治療薬にもこの成長因子製剤を含んだ医薬品が認可されており、治療現場で幅広く使用されています。
<上皮成長因子(EGF)の効果>
・しわの改善
・しみの除去、美白効果
・血流改善、血管修復効果(血色の改善)
・細胞の成長を約284%促進(皮膚治癒促進)
・紫外線などの有害物質からの皮膚の防御 など。
<線維芽細胞成長因子(FGF)の効果>
・コラーゲンやエラスチンを生成促進(皮膚の張りをもたらす)
・創傷治癒促進(傷の治りを早くする効果)など。

皮膚老化(skin aging)と創傷治癒(wound healing)は皮膚の損傷過程が同一のため、多様な 成長因子(GF) が十分であれば皮膚老化も遅くすることが可能なのです。

現在様々な 成長因子(GF) 製剤が存在しています。
その中でも今回高い効果を実証した最新の成長因子(GF) 製剤“BENEV社製(米国)の成長因子製剤”には、このEGFとFGFをはじめ様々な美肌栄養エッセンスがバランス良く含まれています。
米国のFDA(アメリカ食品医薬品局 / 日本の厚生労働省にあたる)が承認している信頼性・安全性の高い 成長因子(GF) 製剤です。
当院ではこのBENEV社製の 成長因子 を近日導入する予定です。
使用方法は、単純塗布でも効果はありますが、 ダーマローラー を用いることで皮膚への浸透力が格段に高まり、効果的に皮膚を再生してくれます。
ダーマローラー療法 とは、約200本の極微細な医療用特殊ステンレススチール製針でできたローラーを肌表面の上で転がし、表皮の角質と真皮に微細な刺し傷(穴)を開けることでコラーゲンの増殖・新生を促す治療です。【コラーゲン増殖療法】
この微細な刺し傷(穴)に対し、肌本来がもっている傷を治そうという生理的な創傷治癒反応が起こります。
その結果、様々な増殖因子が分泌され、線維芽細胞がコラーゲンの増殖・新生を促すという自己コラーゲン増殖・新生のサイクルが構成されます。この ダーマローラー療法 の際にさらに 成長因子(GF) を塗布することで皮膚の再生力がよりいっそう高まるのです。
その他に成長因子(GF)は、 光治療 レーザー治療 ケミカルピーリング などの治療と併用することで、各治療の効果をより高めて皮膚を再生(若返り)を促してくれます。
またプラセンタにも皮膚再生に重要な 成長因子(GF) である上皮成長因子(EGF)と維芽細胞成長因子(FGF)などが豊富に含まれていますので定期的に注射や内服することで皮膚を再生し、皮膚老化を予防してくれます。
当院でも人気の血小板注入治療「セルリバイブジータ」にも、 成長因子 は応用され用いられています。
血小板注入治療とは、自分の血液を用いて肌の再生を促す、最先端のシワ・たるみなどの治療方法です。
もともと血液に含まれている血小板や白血球は体に出来たキズを治す働きをしている細胞です。その血小板と白血球を濃縮し併用で用いることで、ヒトが本来持っている自然治癒力・組織再生力を最大限に引き出すことが可能となり、この治療方法が生まれました。
セルリバイブジータとは、従来の血小板注入治療(セルリバイブ療法)に医薬品として認可されている細胞成長因子(線維芽細胞成長因子(FGF))を添加することで皮膚の再生力をより強力に高めてくれる治療です。

さらに昨日のセミナーでは、今話題の最新の皮膚再生療法『CELL-GROWTH セルグロース』について、全国に先駆けて導入された「たかみクリニック(名古屋)」(院長) 高見 薫先生のご講演も聴くことができました。
自分の細胞を極一部取り出し(採取)、大量に培養した後、自分の肌に戻すという画期的な魅力ある治療です。
しかしまだまだ課題点も多く、今後当院でも導入するか慎重に検討している状態です。
このように現在美容治療の流れは、皮膚の再生療法に向かっています。
今後さらに様々な方法で再生療法は開発され進歩していくことでしょう。
高見先生と血小板注入治療やセルグロース治療について貴重な情報交換もでき、有意義な一日でした。

このところ毎週東京に勉強に行っていたため、さすがに疲労もピークに達してきましたが、疲労回復に非常に良く効く院長オリジナルの 疲労回復カクテル点滴 をスタッフに打ってもらって頑張っています。(苦笑)
今月は美容治療のセミナーが多く、休日返上で勉強してきます。
今週末は、私にレーザー治療の基礎を築いて下さった葛西形成外科(大阪)院長 葛西健一郎先生のレーザーセミナーに行く予定です。また随時ブログでご報告させていただきます。

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