2009年10月19日

ダーマローラーを用いた毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)の治療

今回は、ダーマローラーを用いた毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)の治療についてお話したいと思います。
毛孔性苔癬とは、肩から二の腕、上背部そして太ももに見られる毛穴に一致して、褐色の硬く触れる丘疹(ぶつぶつ)が多数見られる病気です。
一個一個は直径1から3mmと細かいのですが、ざらざらとした感触があり、特に夏に腕を出す衣服を着るようになると、気になって受診される女性が多くなります。男女ともに見られますが、女性の方が気にするためか、受診するのは圧倒的に女性が多い病気です。
小児期から発症し、思春期頃に目立ってきます。教科書的には、多くは年齢とともに自然に消えてゆくと記載されていますが、やや目立たなくはなってきますがなかなか完全には消えないことが多いです。
原因は不明ですが、家族内で見られることも多く、優性遺伝が考えられています。
毛孔性苔癬は毛穴の出口が広がっていて、そこに褐色の角質が充満している状態がこの病気の本態ですから、治療は一般的に角質を溶解させるサリチル酸ワセリンや尿素軟膏を塗る治療が行われてきましたが、なかなか満足できる効果は得られにくく治療効果にも限界がありました。
当院でも今までの従来の外用治療(サリチル酸ワセリンや尿素軟膏)に加え、ケミカルピーリングジェネシスプロウェーブ脱毛など様々な治療を行ってきました。
どれもある程度は効果はあるのですが、繰り返し行わないとなかな効果が現れにくいということもあり、効果的な治療を検討していました。
様々な治療をしてきた中で、ダーマローラーを毛孔性苔癬に応用することで、他の治療に比べて高い治療効果が得られることがわかったため、今回ご紹介させて頂きます。
<ダーマローラー治療>
ダーマローラー療法とは、約200本の極微細な医療用特殊ステンレススチール製針でできたローラーを肌表面の上で転がし、表皮の角質と真皮に微細な刺し傷(穴)を開けることでコラーゲンの増殖・新生を促す治療です。【コラーゲン増殖療法】
この微細な刺し傷(穴)に対し、肌本来がもっている傷を治そうという生理的な創傷治癒反応が起こります。
その結果、様々な増殖因子が分泌され、線維芽細胞がコラーゲンの増殖・新生を促すという自己コラーゲン増殖・新生のサイクルが構成されます。
毛孔性苔癬苔癬では、毛穴の出口が広がっていて、そこに褐色の角質が充満している状態がこの病気の本態ですから、ダーマローラーで微細な傷(穴)を開けることで、詰まった角質を効率よく排出しながら傷を治すという創傷治癒過程でお肌を再生しながら改善していくと考えています。
各種美容液を併用することで、美肌有効成分を効率良くお肌の深部まで導入・浸透させることができ、高い治療効果が得られます。
アレルギー反応や皮膚へのリスクがほとんどなく、安全な治療法です。
治療後数日は赤み、かさつきが出ますが、一週間ぐらいでほとんど気にならなくなります。
治療は約1ヶ月毎に約3~4回程度です。
(※治療効果や治療回数には個人差があり、症状の程度によって多少異なることがあります。) ※当院では、治療前にあらかじめ麻酔クリームを外用して来院して頂いて治療を行っております。非常に麻酔効果の高いクリームを使用していますので、痛みに弱い方でも安心して治療を受けて頂けます。
このダーマローラー治療は、ローラーの針の種類、転がす方向、強さなどで効果が異なってきます。
当院では、多くの毛孔性苔癬を治療してきた経験を活かして当院独自の方法で治療を行っております。

☆毛孔性苔癬でお悩みの方は、是非お気軽にご相談下さい。

治療前
ダーマローラー治療3回後

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