2009年6月22日

当院の治療 vol5:多汗症治療

最近、多汗症でボトックス治療を希望される患者様が増えてきております。
今回は、多汗症について説明したいと思います。
汗は汗腺という部分から分泌されます。
汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺があります。
多汗症には全身の汗が多くなる全身性多汗症と体の一部にのみ発汗が増加する局所性多汗症があり、共にエクリン汗腺の病気です。 全身性多汗症は、特に原因のない原発性と他の病気に伴っておきる続発性があります。
続発性の原因としては、甲状腺の病気、糖尿病、痛風、脳梗塞、パ-キンソン病などの病気に加え、薬剤(抗うつ薬、解熱剤など)でも多汗症をおこすことがあります。 一方、局所性多汗症は、主に手のひら(手掌)や足の裏(足底)、わきの下(腋窩 えきか)、顔などの局所の発汗が多い(多汗)ことを言います。 誰でも精神的に緊張すると、手のひら、足の裏、わきの下などの汗の量が多くなります(このことを精神性発汗と言います)。
しかし多汗症の方の場合、その汗の量が非常に多く、日常生活に支障をきたすことも多いです。 原因は不明ですが、汗腺自体の構造には異常はなく、脳内の精神性発汗中枢という汗をコントロールしている部分が緊張などの情動刺激に対して過敏に反応してしまう、一種の体質と考えられています。 遺伝性があると考えられており、神経質な人に比較的多い傾向があります。 ※ 当院では局所性多汗症の治療を行っています

<当院で行っている多汗症治療>
①ボトックス®(A型ボツリヌス毒素)
ボトックス®(A型ボツリヌス毒素)には、表情筋の動きを弱めてシワを改善する作用(効果)に加えて、発汗を抑制する作用(効果)もあります。 汗の多い部分にボトックスを注射することで、汗の分泌量を減少させます。 治療効果の持続期間は、約6ヶ月程度です(持続期間は部位によって、個人差があります)。 約半年程度で効果が弱くなってきますので、効果を持続させるためには、年に2回程度の注射が必要です。
注射による痛みが強いので、あらかじめ局所麻酔薬のクリームなどを外用(治療1~2時間前から)していただき、冷却しながら治療を行うことで痛みを軽減できます。 ※当院では、FDAが承認しているAllergan(アラガン)社製のボトックス®(A型ボツリヌス毒素)を使用しています。非常に安全性が高い薬剤ですので安心して治療を受けていただけます。 ②その他
・内服療法(抗コリン薬、抗不安薬の内服)
・外用療法(20%塩化アルミニウム溶液(汗水 かんすい))

※多汗症でお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。

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