2011年11月13日

イボの治療

当院では、毎日イボの患者様が数多く来院されます。また、難治性で他院よりご紹介いただくことも多いです。(中には数年間治療しても治らなくて来院される患者様も少なくありません。)
今回は、当院で行っているイボの治療についてご説明させていただきたいと思います。

イボには、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい) 、足底疣贅(ミルメシア)、(青年性)扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)などがあります。
<イボについて>
・ウイルス性(ヒトパピローマウイルス感染)のイボ
・数㎜大(時に1㎝以上)の表面がざらざらしたできもの
・顔、首、手足などに好発
・小児や成人(若い人)に多いです。
・放置しておくと増えたり、大きくなることがあります。

<治療>
①凍結療法
通常皮膚科で一般的に多く行われている治療で、イボに液体窒素を用いて凍結療法を行います。通常約2週間に1回治療を行います。この治療だけでは治りにくいことが多いです。当院では、スピール膏やビタミンDの外用をしていただきながら凍結療法を行っています。スピール膏やビタミンDの外用を行うことで、イボの角化(厚み)が薄くなり、効率良くイボを治療することができます。ビタミンDの外用薬にはイボを多少抑える効果があります。

②ジェネシス(ロングパルスNd:YAGレーザー)治療
ジェネシスは通常美容治療に用いることが多いですが、イボの治療にもとても効果的です。
ジェネシスを用いたイボの治療は、最近学会やセミナー等で話題になっている治療です。先日のキュテラ社主催のセミナーでも数名の先生方が発表されていました。実際には上記(①)の治療でもなかなか治りにくい場合も少なくありません。そこで①の治療でもなかなか治りにくい場合、ジェネシスによるレーザー治療を行っています。詳細な作用機序はまだはっきりと解明されていませんが、ジェネシスによりイボへの栄養血管にダメージを与えると言われています。数ヶ月前から当院でもジェネシスを用いて多くの難治性のイボに対して治療を行っていますが、とても効果があります。※但し、数回の治療が必要となります。(※①の治療よりもかなり少ない治療回数で治療できます。)欠点は、レーザー照射時痛みを伴うことです。(※レーザー照射時は凍結療法よりも痛いですが、凍結療法のように治療後痛みが長く続くことはほとんどありません。)※痛みに弱い方は、予め治療の1~2時間前に麻酔の外用をしていただいた上で行っています。
※ジェネシスは、イボ以外に爪水虫にも効果的です。応用範囲が非常に広く、今後さらなる適応疾患が拡大していくと思われます。

③炭酸ガスレーザー・エルビウムヤグレーザー治療
ほとんどの場合、凍結療法かジェネシスで治りますが、中にはこれらの治療でも治りにくいイボもあります。その場合、局所麻酔をしてイボの部分を炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザーを用いてで削って治療します。治療後は少し深い擦り傷のようになるので、約1~2週間外用処置が必要となります。これらの治療方法の中で一番少ない治療回数(通常1~2回)で治療できますが、傷の処置が必要となります。また、治療部位によっては傷が治るまで運動を控えていただくことになります。

※基本的にイボのレーザー治療は、保険適応外(自費診療)となります。

☆イボでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です