2011年4月11日

花粉症に対するボトックス治療

最近花粉症のお薬を希望される患者様がとても増えてきています。
通常花粉症の治療は、抗アレルギー薬の内服、点鼻薬、点眼薬が中心となります。
しかし最近では、花粉症に対してボトックスが有効という報告が増えてきています。
そこで先日東京で行われた花粉症に対するボトックス治療のセミナーに行って勉強してきました。
作用機序について説明したいと思います。(少々専門的な話になります。)

<鼻水(鼻汁)分泌の神経支配>
・翼口蓋神経節からの節後線維が鼻粘膜に分布
・副交感神経でコリン作動性

<ボトックスの作用>
神経末端に作用し、コリン分泌を阻害し、鼻粘膜への神経伝達を阻害します。

<鼻粘膜からの分泌>
・下鼻甲介からの分泌
・中鼻甲介からも少々分泌

☆つまり、ボトックスにより鼻粘膜への神経伝達が阻害された結果、鼻の粘膜から分泌物(鼻水、鼻汁)が抑制されるのです。

<治療方法>
滴下法(鼻粘膜(中鼻甲介、下鼻甲介)に適量を滴下します。)で行います。
(※効果的な治療を行うためには、最適な滴下量、的確な滴下部位、滴下方法などの治療テクニックが必要です。)
※ボトックスを滴下するだけですので、痛みはありません。(※刺激感もありません。)
※治療後(滴下後)、薬剤(ボトックス)が喉に落ちてしまっても極微量のため、飲み込んでも問題はありません。また喉の粘膜に作用することも考えにくいと言われています。
※嗅覚への影響について。下鼻甲介と中鼻甲介に滴下したボトックスは、コリン作動性の神経末端に作用します。嗅覚神経末端はこれと異なるため作用しません。
※子供への治療も可能です。(※小学生高学年から治療可です。)
子供の場合、粘膜が薄く、硬化などが少ないため効果が高いようです。

<治療時間>
約10分程度で終わります。

<効果>
数十分から数時間程度で効果が出てきます。(※即効性があります。)
有効期間は、約1~4週間程度です。(※通常2週間程度)
(※欠点は、有効期間が短いことです。)
※効果の持続には、再度治療を行う必要があります。
※目のかゆみも軽くなります。
※治療効果には個人差があります。

☆早速当院の花粉症のスタッフ数名に治療したところ、症状がかなり軽くなったと喜んでいました。

※ご興味がある方は、どうぞお気軽にご相談下さい。
詳しい治療方法、効果等についてご説明させていただきます。

当院スタッフへの治療

※注射ではありませんので、針はついていません。 ボトックスを滴下するだけで、全く痛みも刺激感もありませんので、安心して治療を受けていただけます。

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