2010年1月18日

レーザーセミナー(大阪)

昨日は休診日を利用して、大阪で行われたニーク社主催のレーザーセミナーに参加してきました。
ニーク社は医療用レーザーの世界的トップメーカーで、ホクロ・イボなどの良性腫瘍やアザ・シミなどの治療で長年にわたって多くの大学病院などで使用されている効果と安全性(信頼性)の高いレーザー機器を製造・販売している会社です。
当院では、ニーク社の炭酸ガスレーザー、Qスイッチルビーレーザーを用いて治療を行っております。
最近特にホクロ・イボなどの良性腫瘍やシミ・アザの治療の相談で来院される患者様が多いので、今回は各レーザー治療について詳しくお話したいとお思います。

<炭酸ガス(CO2)レーザー>
炭酸ガスレーザーは、波長が10.6μmで水に対する吸収が非常に高いため、著明な熱効果によって皮膚を切開、蒸散(※水蒸気として気化して煙となって消失していきます。)させることができます。
そのため、ホクロやイボなどの治療部位のみを限局的に切開、蒸散させて治療することができます。
周囲組織への熱影響によるダメージが非常に少ないため傷口の治りも早いです。
また治療後の傷跡や色素沈着もほとんど目立たないので、傷口はきれいに仕上がります。
さらに止血効果もあるので、ほとんど出血することなく、メスを用いた手術(切除、縫合)よりごく短時間で治療でき、術後のむくみや痛みもほとんどありません。
(適応疾患)
ホクロ・イボなどの皮膚のできもの(皮膚良性腫瘍)

<Qスイッチルビーレーザー>
ルビーレーザーの波長694nmはシミやアザの原因である メラニン色素に対して吸収が高く、コラーゲン組織や ヘモグロビンにはほとんど吸収されません。
そのため正常組織のダメージを最小限に抑えながら メラニンを有する細胞のみ選択的に破壊します。
ルビーレーザーの中でもQスイッチルビーレーザーは 極力、熱緩和時間を短く抑え(照射時間20ns(ナノ秒)、 この短い時間に適切なエネルギーを照射することでレーザー光は真皮部分まで到達し正常組織へのダメージを抑えながら有効な治療を行うことができます。
(適応疾患)
①浅いシミ: 日光性(老人性)色素斑、そばかす(雀卵斑)、扁平母斑(茶あざ)
②深いシミ: 後天性真皮メラノサイトーシス、太田母斑(青あざ)、 蒙古斑(青あざ)
③その他 : 外傷性異物沈着症、入れ墨、アートメイク除去

これらの機器(レーザー)を用いて治療するにあたって、最も重要なことは、正しく診断した上で正しく治療を行うことなのです。
ホクロ・イボなどの皮膚腫瘍やシミの中には、皮膚癌(悪性)であることも少なくありません。
私は大学病院勤務医時代、主に皮膚癌の診察・治療(手術など)に携わっており、その中で他院で皮膚癌を見落とされていたり、皮膚癌を間違えられて良性として放置されていたり、誤った治療(皮膚癌を正しく診断されず、ただのシミやホクロと誤診されてレーザー治療をされてしまい、癌が進行して手遅れになったケース)を施された患者様を数多く診てきました。
原則的に(特殊な場合を除いて)皮膚癌にレーザー治療はすべきではないのです。
皮膚癌の中には非常に進行が早く、転移するような生死に関わる皮膚癌(悪性)も少なくないのです。
当院では、皮膚科専門医としてまた長年皮膚癌の治療を行ってきた経験を元に、詳細に視診(まず肉眼的に詳しく診察、そしてダーモスコピーという拡大機器を用いて形態学的な変化を詳しく診察して診断すること)や皮膚癌を少しでも疑った場合には必ず皮膚生検(皮膚の一部を採取して、病理検査を行い顕微鏡レベルで詳細に観察して診断する検査)を行って適確に診断した上で最適な治療をご提案、ご提供しております。
またレーザー治療を行う上で重要なことは、患者様お一人お一人の症状(疾患)や種類、程度に合った最適な治療機器の選択と適切な照射方法で熟練した知識と技術をもって治療することなのです。
さらに軽視されやすいですが、治療後のアフターケアもとても大切なのです。
当院では治療はもちろん、治療後のアフターケアの方法や日常生活の注意点なども細かく徹底的に指導しております。
たががホクロ、シミ、イボだとお考えで、どこで治療しても同じだと思われる方もお見えになるかもしれませんが、これらのどの過程も経験と技術を要するため、クリニック選びは非常に重要なのです。
当院では美容治療をはじめ、一般皮膚科、形成外科治療を行っておりますが、どれもしっかりとした経験とトレーニングを受けた上で、自信をもって治療を行っております。
また日頃から学会やセミナーに積極的に参加して最新の情報(知識)収集を行い知識を深め、治療技術の向上(スキルアップ)のため様々なクリニックに見学に行き、第一線でご活躍されている先生方の診察や手技を勉強しております。
昨日のセミナーでは、私の最も尊敬するレーザー治療のスペシャリスト(メンター)の葛西形成外科(大阪)院長 葛西健一郎先生が座長を務められご講演されました。
私は開業前に大阪にある葛西先生のクリニックで勉強させて頂いて以来、日々の診療で治療に難渋した際には、ご相談させていただくのですが、いつも親身になって丁寧で適確なアドバイスを下さり、大変感謝しております。
昨日は、久し振りに葛西先生にお会いできてとても嬉しかったです。
現在様々なレーザー機器がありますが、特にシミ、アザ治療では数あるQスイッチレーザー(アレキサンドライトレーザー、ヤグレーザー)に比べて、ニーク社製のQスイッチルビーレーザーが一番効果的に治療できる機器だと葛西先生はおっしゃっておりました。
昨日は様々な疾患に対してのレーザー治療のアプローチの仕方やケアの仕方などを勉強することができました。
現在当院で行っている治療方法が間違っていないということも再確認でき、有意義な勉強になりました。
当院では、患者様が東京や大阪、名古屋まで足を運ばなくても、効果的な最新治療を患者様にご提供できるクリニックでありたいと考えております。
☆ホクロ・イボ、シミ・アザなどでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談下さい。
スタッフ一同全力で、患者様のお肌のトラブル(お悩み)を一緒に解決していくお手伝いをさせて頂きます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です