2008年5月17日

当院におけるシミの治療のスタンス

クリニックを開業して約10日が経ちました。まだ開院して日が浅いにも関わらず、多くの患者様からお問い合わせや来院して頂き感謝しております。その中で最も多いご相談が「シミ」です。そこで当院でのシミ治療のスタンスをお話したいと思います。少し長くなりますが、ご了承下さい。一概にシミと言っても様々な種類がありますし、治療方法も異なります。シミの詳しい説明は私のホームページをご参照下さい。今回はその中でも一番多く見られる日光性(老人性色素斑)の治療についてお話したいと思います。以下のシミについての内容は、この日光性(老人性)色素斑についての説明です。できるだけ患者様に分かりやすく説明していきたいと思いますので細かい専門的な説明は省かせていただきます。当院での機器を用いたシミ治療には主なものとしてキュテラ社のフォトブライト治療であるライムライト(光治療・IPL)とQスイッチルビーレーザーです。この2つの機器を個々の患者様の症状や日常生活に合った最適な治療を選択してご提案し治療をしています。まずキュテラ社のライムライトは日本人の肌質(色白の方から色黒の方まで含む)のために日本人医師(後で詳しくご紹介します)の監修のもとキュテラ社が共同で開発したものです。数ある光治療器の中でも比較的痛みが軽く、従来のIPL治療器で効果が得られにくかった病変(シミ・そばかす)に対しても確かな効果を発揮します。最大の利点は効果が高いということです。さらに治療後すぐにお化粧をして普段と同じ生活ができるという点です。治療後はマイクロクラストといって日常生活に支障をきたさない非常に細かくて薄いカサブタができる程度でガーゼやバンドエイドを貼らなくても済みます。なので人に気づかれないでシミ治療ができます。1週間前後で徐々にシミが薄くなって取れてきます。この機器は顔全体に照射するので、シミを治療するだけでなく、同時にお肌の色調(色むら)・くすみ・キメ・質感、毛穴の開きなどの改善も得られることです。欠点はQスイッチルビーレーザーに比べてメラニンに対しての選択性、メラニンへの破壊力などがレーザーに比べて弱く、またお肌の状態を見ながら、徐々にパワーを調整していくため、数回(通常3-6回程度)の治療を要することです。あと中には光治療をして薄くなってもどうしても完全に取れないシミもあるという点です。一方、Qスイッチルビーレーザーはシミのみを完全に(もしくは限りなくゼロに)消すことができます。これはメラニンへの選択性、破壊力が非常に強く、ナノセコンドという超短時間のパルス幅(照射時間)でメラニンを一瞬にして強力に破壊する機器です。欠点は照射後数日じゅくじゅくした状態が続いた後、黒っぽいカサブタができ、必ず10日前後は照射した部分をバンドエイドや小さいガーゼなどで厳重に覆っておかなければならないということです。通常は10日前後でカサブタは取れてシミのないピンク色の綺麗な皮膚になります。このレーザー治療によって驚くほど劇的にシミは綺麗になります。しかし一番注意が必要なことは、綺麗になった後、人によっては一時的にシミが濃くなることがあるという点です。これは炎症後色素沈着と言います。通常は数ヶ月(1~3ヶ月程度)で自然に消えていきますが、中には半年から一年ぐらいかかる場合もあります。いかにこの炎症後色素沈着を来さないで、もしくは最小限に抑えることができるかがこの治療の最も重要で難しい点なのです。一番大事なことは、レーザーを照射したところをとにかくカサブタが取れても取れなくても10-14日はバンドエイドなどで覆っておき、触れないでそっとしておくことなんです。これは長年シミ治療に携わってこられてきた豊富な経験をおもちの(大阪)葛西形成外科院長、葛西 健一郎先生の口癖なのです。また当院が導入したキュテラ社の機器(ライムライト)を日本人の肌に合うようにキュテラ社と共同開発・監修されたのは東京女子医科大学附属青山女性医療研究所美容医療科の根岸 圭先生です。根岸先生は数々の光(IPL)治療において豊富な経験をもち、第一線でご活躍されているとても有名な先生です。私はこのお二人の先生の考え方や治療法に感銘し、開業前に直接お会いして色々と学びたいと思い、お願いして東京、大阪にクリニック見学に行ってきました。とても多くのことを勉強できました。当院では一人でも多くの患者様に満足して頂けるように日々学会やセミナーに参加して勉強し、最新の情報や最良の治療を取り入れてご提案、ご提供していきたいと考えております。お肌のお悩みがございましたら、是非お気軽にご相談下さい。クリニック見学の内容や風景(一緒に撮影したお写真など)についての内容は次回のブログでご紹介していきたいと思います。

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