Home >> 熱傷(やけど)

熱傷(やけど)

熱傷(やけど)とは症状応急処置と治療

熱傷(やけど)とは

熱傷(やけど)は日常生活において最も多い外傷の一つです。
やけどとは、皮膚に高温が作用したために起こる傷害をさします。高温の液体や固体が一定時間以上接すると生じるものです。火炎・爆発などで生じる場合もあります。

また、低温熱傷(後述)と呼ばれる、比較的低い温度(44〜60度)で生じるやけどもあります。この他、特殊なやけどとして、薬品(酸、アルカリ溶液など)による化学熱傷、電流(家庭電源、落雷など)による電撃傷などがあります。

その原因としては、やかんやポットの湯、コーヒーやお茶、てんぷら油、カップ麺、味噌汁など高温液体によるものがあります。次いでストーブやアイロンなど熱性固体の接触によるやけどが多く見られます。
最近では、電気炊飯器やポットの水蒸気の噴出口やファンヒータの吹き出し口に触れてしまう幼児の熱傷が増えています。湯気は熱湯以上に温度が高いので短時間で簡単にやけどとなります。

症状

やけどは深さによりT度、U度、V度に分類され、それぞれ症状が異なります。その深さは皮膚組織(皮膚は外側から、表皮・真皮・皮下組織(脂肪)で構成されます)のどの部位まで損傷されているかで決定されます。皮膚の薄い子供や老人では損傷レベルは深くなります。

また、同程度にやけどを受傷しても、体の部位により皮膚の厚さが異なるため(手のひらは皮膚が厚く、手の甲は皮膚が薄いなど)損傷レベルに違いを生じます。
浅いやけどは痛みなどの症状が強く、深くなるに従い痛みは少なくなっていきます。

T度熱傷(表皮熱傷)

T度のやけどは表皮のみのやけどです。外見上、皮膚が赤くなり、痛みを伴います。通常数日のうちに傷跡なく治ります。

U度熱傷(真皮浅層熱傷・真皮深層熱傷)

U度のやけどは表皮だけでなく、真皮にまでおよんだやけどです。外見上は水泡形成(水ぶくれ)しています。U度のやけどはその深さにより、さらに真皮浅層U度熱傷superficial dermal burn :SDB)と真皮深層U度熱傷deep dermal burn :DDB)に分類されます。
痛みが強い場合には浅いもの、痛みが鈍い場合には深いものであることが多いです。U度の浅いやけどは約2週間程で傷跡をほぼ残さず治癒します。一方U度の深いやけどは傷跡が残ることが多いです。治療期間は範囲にもよりますが3〜4週間程です。

V度熱傷(皮下熱傷)

V度のやけどは表皮、真皮のみならず脂肪・筋肉といった皮下組織にまでやけどが及んでいる状態です(deep burn)。
神経や血管もやけどでやられているため、外見上白色に見えたり(時に黒)、痛みの感覚もありません。手術等専門的な治療が必要になり、1ヶ月以上の治療期間を要することも少なくありません。また傷跡が残ることが多いです。

応急処置と治療

応急処置

  • 直ちに冷却することが大切です。これにより熱による皮膚への損傷が深くなることを防ぐだけでなく、受傷部位の痛みをやわらげることができます。
    この場合、無理に衣服を脱がず、水道水などの流水を衣服の上から直接流します。冷却は20分くらい行います。水疱(水ぶくれ)がある場合は出来るだけ破らないようにしましょう。

治療

  • 外用薬、創傷被覆材など。

(参考)低温熱傷

低温熱傷とは短時間の接触では問題とならない程度の温度が、熟睡していたり、体が不自由だったりして長時間にわたって接触部に作用することにより生じるやけどです。湯たんぽ、電気あんか、電気毛布および使い捨てカイロなど冬場に長時間、身体にあてて使用する製品に多く発生しています。

戻る