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尋常性乾癬

尋常性乾癬症状治療日常生活の注意点

尋常性乾癬とは

乾癬は、表皮細胞のターンオーバー(表皮の生まれ変わり)の亢進による過増殖と分化異常を伴う炎症性疾患で、遺伝的素因に環境因子が加わって発症します。
※皮膚は、紫外線や乾燥、ウイルスなどの外敵から体を守る重要な機能をもつ、体の中で最も大きい臓器です。その構造は、外側から表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれており、表皮はさらに角層、顆粒層、有棘(ゆうきょく)層、基底層の4層に分かれています。
基底層では常に新しい表皮細胞が作られています。古い表皮細胞は新しい表皮細胞によって角層へと押し上げられ、性質を変えながら角質という死んだ細胞になり、垢(あか)となってはがれ落ちていきます。この表皮細胞が生まれて角層から垢としてはがれるまでの過程を「ターンオーバー」とよんでいます。ターンオーバーは通常、約28日で繰り返されます。
しかし、乾癬の患者さんでは、表皮細胞の異常な増殖によりターンオーバーの周期が4〜5日と極端に短くなっているため、積み重なった角質がフケのようにボロボロとはがれてしまうのです。

症状

銀白色の鱗屑(皮膚の粉)を伴い境界明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出ます。乾癬の患者さんの90%位がこの症状です。大きさ、数、形は様々で、発疹が癒合して大きな病変を作ることもあります。できやすい部位は慢性の機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿伸側などです。青壮年期に発症することが多く、多発しますが、通常、内臓を侵すことはありません。かゆみは約50%の患者さんにみられます。爪の変形(点状陥凹や爪甲剥離など)や関節炎を伴うこともあります(関節症性乾癬)。

治療

乾癬に根治療法はなく、治療目標は良い状態を保つことによるQOL向上を目指します。

  • ステロイド外用
  • 活性化ビタミンD3外用
  • 光線療法(※保険適応)
    など。

※当院では、外用薬と光線療法(エキシマライト)(※保険適応)を併用して治療を行っています。

日常生活の注意点

乾癬の発疹は、全身のどこにでも出ますが、こすれる場所に出やすいという特徴があります。ですから、たとえば入浴時にあまり硬いタオルでこすることはよくありません。細いジーパンも好ましくありません。かゆみのため、引っ掻くことも皮疹の悪化につながります。
食べ物はバランスよく、また規則正しい生活を勧めます。カロリーの取りすぎは乾癬を悪化させます。
またストレスも皮疹を悪化させますのでできるだけ避ける工夫を考えてください。日光浴を勧めます。
ただし紫外線で逆に悪化する患者さんもいますから過度な日光浴は避けてください。

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