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単純ヘルペス(疱疹)・帯状疱疹

単純ヘルペス(疱疹)・帯状疱疹とは単純ヘルペス(疱疹)・帯状疱疹の治療

単純ヘルペス(疱疹)・帯状疱疹とは

単純ヘルペス(疱疹)

単純ヘルペスウイルスの初感染(初めて感染した場合をいいます)、再感染(同じウイルスに再び感染した場合をいいます)、再発(初感染後、体に潜んでいたウイルスが、再活性化して症状が現れる場合を云います)により、皮膚や粘膜に小水疱やびらん(ただれ)を主体とする病変が生じます。

このウイルスは、体のどこでも感染します。部位別に、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、顔面ヘルペス、角膜ヘルペス、性器ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽(手指に感染したもの)、臀部ヘルペス、ヘルペス脳炎などと呼ばれています。また、新生児にかかった場合は、新生児ヘルペスと呼ばれ、特殊な病名にウイルスが経皮感染して生じるカポジ水痘様発疹症があります。(カポジ水痘様発疹症:アトピー性皮膚炎など皮膚疾患のあるところに単純ヘルペスが感染し、急速に広範囲に拡大する播種性の単純ヘルペスの重症型。)

単純ヘルペスウイルス(HSV)は、生物学的、物理化学的、免疫学的差異からHSV-1とHSV-2の2型に分類されます。HSV-1は顔面、特に口唇に再発し、HSV-2は下半身、特に性器に再発を繰り返します。しかし、実際は性器ヘルペス初感染の約70%はHSV-1によりますが、この場合には再発をきたすことはまれです。

HSVは主に接触感染します。 HSV-1は水疱、びらん面などの病変部や唾液などとの接触感染や飛沫感染、またはウイルスに汚染された手指や器具などから感染します。
HSV-2は主として性行為で感染し、性の乱れや経口避妊薬の使用でコンドームを使用しなくなったことなどから、成人の初感染が増加しています。

帯状疱疹

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染では水痘(みずぼうそう)になりますが、この時、主に皮膚にでた発疹から神経を伝わって所属の後根神経節内にウイルスが潜伏するといわれております。後根神経節内に潜伏感染していたウイルスが何らかの誘因で、再活性化して発症するのが帯状疱疹です。
誘因として過労や悪性腫瘍の合併を含めて宿主の免疫機能の低下、手術や放射線照射などがあげられます。ウイルスが再活性化されると神経節内で増殖し、知覚神経を通って表皮に達し、表皮細胞に感染しそこで更に増殖して、赤い丘疹や水疱が神経の走行に沿って帯状に出現します。他のヒトから感染して帯状疱疹になるわけではありません。

片側の神経分布領域に一致して神経痛様疼痛、知覚異常あるいはかゆみが数日から1週間続き、やがて虫さされのような浮腫性の紅斑が出現します。この時期に軽度の発熱やリンパ節腫脹、頭痛などの全身症状がみられることもあります。
間もなく紅斑上に小水疱(みずぶくれ)が多発し、水疱は中央にくぼみがあります。内容は初め透明ですが、黄色い膿疱となり、6〜8日で破れてびらん(ただれ)または潰瘍になります。
皮疹の出現後1週間までは紅斑や水疱が新生し、皮疹部の拡大がみられますが、以後治癒に向い、約2週間でかさぶたとなり、約3週間でかさぶたは脱落して治癒します。

頬部、下顎から肩に掛けて(三叉神経第3枝から第3頚髄神経領域)の帯状疱疹の場合、同側の顔面神経麻痺、味覚障害、内耳障害を伴います(ラムゼイ-ハント症候群)。早期に入院し、副腎皮質ステロイドの全身投与が必要です。
また、本症は主として知覚神経が侵されますが、まれに炎症が高度で、脊髄の前角にまで及ぶと運動麻痺が起こります。上肢に多く、挙上が出来なくなり、筋の萎縮を伴うこともあります。
腹部の帯状疱疹では腹筋の麻痺により同側の腹部が膨隆することがあり、また、腹部の帯状疱疹では、便秘を伴うことがあります。

仙骨部の帯状疱疹すなわち、外陰部領域の帯状疱疹では膀胱直腸障害がみられ、尿閉が起こることがあります。この場合も、入院してもらい、充分な抗ウイルス薬の投与と留置用バルーンカテーテルを使用します。

単純ヘルペス(疱疹)・帯状疱疹の治療

  • 単純ヘルペス(疱疹)・帯状疱疹共通:抗ウィルス薬内服
  • (帯状疱疹の痛みに対して)鎮痛剤内服など
  • (帯状疱疹)安静を心がけてください

※(帯状疱疹)発疹が出ている時期に、水ぼうそう(水痘)をしたことがないお子さんや水疱瘡ワクチンを打ってないお子さんと接触すると、水ぼうそう(水痘)を発症させてしまうことがあるので注意しましょう。

※帯状疱疹ワクチン(シングリックス®)も行っています。(※適応:50歳以上)
帯状疱疹は、50歳を境に発症率が急激に上昇し、70歳以上では1000人あたり10人以上となります。高齢化が進行しているわが国においては今後ますます患者数の増加が予想され、ワクチンによる予防が重要と考えられています。
シングリックス筋注用は保険適用外の薬剤なので、全額自己負担となります。

※当院では、シングリックス接種費用は1回22,000円(税込み)です。シングリックスは2ヶ月間隔で2回の接種が必要ですので総額44,000円(税込み)となります。

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